シャンソン。 (2009.3.10)
ここんとこパソコンを最小限度にとどめているせいだからか、不要品廃棄へのエネルギーがとどまることが無く、 今日も今日と手仕事の合間と、シャンソンコンサートから帰宅後もやり続け、ようやくパソコンの前に座ったらにゃんと午前様となっていた。 片付けながら今日の歌い手の事や、コンサートそのものについてあれこれ考えていたが、やっぱり歌は面白い。
ハッキリ言って今の○川昌子さんの歌は決して上手いとは言えないだろう。 仮にこれが無名の人が同じ声で同じように歌ったらブーイングだろう。声はだみ声(ハスキーとも言い、 シャンソンに向いている声とも言われるが、昔はこんな声ではなかった。)フレーズは殆ど伸びないし、 フォルテもピアニッシモもコントロール出来てない。言葉さえ不明瞭だ。が、歌手というのは歌がうまけりゃあ良いというものではないと、 70代半ばらしい彼女は教えてくれる。歌は人生なのだ。例えば今日彼女が吠えるようにドスを効かせた声で歌っても、その声の底の底にある、 彼女の人生の深い部分のうめきが聞こえてきて、人々は心を突き動かされる。そして又、声にならない声でかすれるように歌っても、 その声はまるでサックスがすすり泣くように会場に染み渡る。高齢の為、トークも行きつ戻りつするが、肝心なことははずさない。それは、 彼女の人生経験の中で最も大きな事件、「戦争体験」だ。戦後63年経った今も、 彼女の脳裏にはくっきりとその日の様子が描かれているようだった。「戦争ほどばかげていて、情けなくて、愚かしくて、何の意味もない、、、、 」「昔も今も、偉い人はみんなバカだ!」と次々と発せられる言葉は美しくはないが、 体験から来るストレートな叫びにみんな共感し拍手が湧いたことだ。江戸っ子らしい切れの良い言葉が次々と観客の爆笑を誘い、 もう一人の出演者で彼女の伴奏者でもあるK氏はハンカチで涙を拭きながらの演奏だった。
おみっちゃんが一番凄いと思ったのは、彼女の「居直り」だった。「私はこれで良いのよ。」「どうよ!?」「なんか文句アル?」 的なオーラが、最初から会場を圧倒していた。そりゃあ褒められれば嬉しいが、特に若く見せようっていう様子もない。 色んなものを切り捨てて生きてきた女の強さ、とでもいうものが彼女の身体を包み込んでいた。これは、真似ようとて真似られるものではない。 仮に髪の毛を同じように3色に染めたとしても、ああはなれない。
だから、シャンソンは若くてはなかなか歌えない。
思ったより大勢の人が詰めかけていて、大盛会だった。若い人が2割くらいというのはちと淋しいが、、、。








