良い旅終わる。 (2008.10. 8)
何事もあまり期待しない方が結果は良いみたいだ。今日の小旅行も全く期待してなくて、たった一つの明確な目的、 開店休業中の我が店頭に飾るべき、顧客へのプレゼント品としての陶器を購入に行くという事以外に、ハッキリした事を何も決めずに出かけた。 あとはまさしく行き当たりばったり。ところがこれが大当たり!
友人Kはチャンとお弁当まで作ってくれて、お茶の準備まで至れり尽くせり。あとの3人はひたすら日頃の憂さを晴らすことに専念。 したがって車内はおしゃべりと嬌声で満杯。全ての日常から解放されて熟女4人は、明るい秋の日差しの中をとっととっとと、まずは松山入り。 道中、今日の次なる目的地を決めようとするが、誰も資料を持っていないし調べてもいない。様々な話題の中で「U」 というおいしい冷や酒の話となり、それならその蔵元に行こうとなり、すっかりその気になったものだ。 実は私は秘境の地にある蕎麦屋へ行きたいと思い、そう誘ってみたが、、話している内にお酒に惹かれついそちらにグラッと気持ちが傾いた。が、 まあ、まずは陶器だ。
この砥部焼きは、阪神神戸の大震災でも壊れなかったという評判を取ったほどに頑丈でしかも美しく、 私はお気に入りでこの窯元はケッコウ通っている。家族全員が大好きで、みんなで来たことも何度か、、、。 そこの名物おかみが突然亡くなったと聞いていたが、ちゃんとその後も順調にお店は営業されている。 朝食を食べてきてないお馬鹿さんの為に急ぎ荷物を作ってもらい店を後にするが、何しろ知らない土地だ。お弁当を広げる場所探しに難儀する。 でも、こういうときに勘が働くアチクシ、欠食児童がガソリンスタンドで車の中で、、、 とかなんとかわめいているのを無視して走っている車の中から見えたお寺にしようと宣告する。
静かなたたずまいのこのお寺。全く偶然の「お導き」であった。石段を拝借してゆっくりお弁当を食べ、 やおら立ち上がり信心深くもない我らが帰ろうとしたその時、上の方から降りてきた中年の男性がどこから来たのか?と聞いてくる。 少し立ち話をすると、そのお寺は伊丹十三氏のお墓があるという。で、ここの住職は話が面白いから是非聞いていけ、とも、、、。 まあ急ぐ旅でもなし、そうしましょうと意見はまとまり納経堂へと歩いていく。 道々なるほど寄付高が刻まれた石碑の中に伊丹十三その人の名も見える。誰もいないような古い建物の暗い中をのぞき込みながら声をかけると、 しばらくしてからつるつる頭のご高齢の元気そうなお坊様が出てこられた。で、我々4人に向かっていきなり出た言葉が、「ほ~~~、 これはこれは、こんなところへ来る人は、大体壊れかかった人が来るもんじゃが、あんた達はまだ壊れかかっとらん人たちじゃなあ~。」 で思わず高笑いとなる私たち。「何でまた?」と真顔で聞かれ、さっき降りた人から聞きましたとそのまんま話すと、 急に張り切ってお説教の時間と相成った。確かに面白いお話が次から次へと聞けて、 なにやら大きな懐に入ったようなリラックスした気分になった我々は、すっかりそこで長居をしてしまった。 自殺したと言われる伊丹氏は実はそうではないのではないかと、その住職は思っているようだ。自殺は最も良くない行いだと力説し、 「人は用事が無くなったら自然に死ねる、、」とも。常々「私は70歳になったら死ぬ」と口癖のように言っていたTが、 これからは心を入れ替えてそんな考えは止めると言い出したのは御利益その一だった。
丁寧に御礼を言い、お札を買い求め、ゆらりと表に出た4人が4人とも、これ以上は無いくらい仕合わせにゆるんだ顔をしていた。 これぞ宗教のありがたさだ。昔はこういうお説教をしてくれるお坊さんがあちこちに居たのに、この頃はお金お金の時代で情けない、 とはみんなの一致した意見だった。私は道ばたの小さな野菜売り場で里芋を二袋200円で買い求め、 他の人もみかんなんかを買ってお手洗いも済ませ、さあ、良い気分でもっと良い気分になるため酒元へしゅっぱ~っつ!! と威勢良く出たは良いが、せっかく目的のインターで降りたのに、携帯で問い合わせた場所が実はず~っと前に閉鎖され、 ビヤガーデンになっちゃってるということが判明。途端に行く気が失せ、もう帰ろうか、となる。しかし、 午後4時というその時間にこのまま帰るのも悔しい、と本日「おくり、、、」 という映画に行ってるはずのちぇちの連中にメールで問い合わせてみる。すぐに返事が来てとっても感動した、 というので時間をさらに聞いてみるとレイトの9時半~しか無いという。それでは遅すぎるという3人の意見(あたしゃレイトは慣れてるが) でまあ、とにかくその映画館のある新しいショッピングモールに行ってみようとなる。
着いてみれば、偶然にも「最後の初恋」というリチャードギアの映画が、まあ、許容時間内で観られることが分かった。ならば、 と先に食事を済ませ、急に映画鑑賞となる。、、、これが大正解。全員が大泣きして、顔を合わせるのが恥ずかしい状態。 座席指定にもかかわらず余りにスカスカの座席なので結局全員バラバラで観て正解だった。
まあ、女性好みの映画ではあったが、、、、。
というわけで、本日のメチャクチャフリーな日帰り旅行は99点で終わった。1点は、あの冷酒が飲めなかったこと!無念。








